マロン・ザ・ゴールデン

片目のシニア犬”マロン”と保護猫”タマ”の日常生活

マロンが失明した日【マロン・ザ・ゴールデン】

20年の11月に入って間もないころ、突然マロンの右目の視力が落ちた日がありました。

 

それまでは、左目の視力はなくても、それまでの1年くらいは右目だけでも、生活にそれほど支障があるほではありませんでした。マロンもそれを気にする風でもなかったのです。その日は、徐々に視力が回復し、午後にはお散歩できるようになりました。ボクは一抹の不安を感じながらも、胸を撫で下ろししました。

 

そして2020年11月15日の朝、2回目の失明が起こりました。

 

今度は、1度目と違い、視力は戻りません。マロンは、完全に視力を失ったのです。

 

それに前後して、マロンの体調が明らかに不安定になってきました。

 

1日元気にゴハンと食べ、動き回るかと思うと、次の日はづっとじっとしています。

 

脚の力も弱くなっています。それでもトイレはさせないといけないので、調子が良くない日には、ボクはマロンを抱いて外に運びます(家の中にトイレシーツをしいていて、そのトイレを使って欲しいのですが、なぜか使ってくれません。できるのですが)。

 

元来、マロンは、身体の頑強な子で、今まで病気をしたこともほとんどありません。12年間で、病院へ行ったのも数えるくらいです。ですから、どこかが痛むとか、苦しそうだということはありません。でも、ボクにはわかるのです、何かがおかしいことが。

 

彼は静かに、ただ静かに眠っています。徐々に、生命の終わりが近づいているのを、ボクに教えてくれているように...。

 

だから、ボクも前のラッキーの時ほど悲しくありませんでした。馴れた?いや、そんなことはないのですが、気持ちが塞ぎ込んで、暗くなるというのではなく、何か厳かな生命の営みみたいなものを感じまたのです。

 

ボクは、できるだけマロンに気を配り、できるだけおいしく食べられそうなもの(プリントかヨーグルトとか、シチューとか)を食べさせ、水を飲ませませました。

 

動くのがおっくうなようなのでほっておいたら、食べずにじっとしているマロン。それでは、身体が弱るばかりなので、何かを食べさせようとする飼い主、そんな状態が続きました。