マロン・ザ・ゴールデン

片目のシニア犬”マロン”と保護猫”タマ”の日常生活

マロン、今日は君が旅立つのに、ちょうど良い日だ(3)

 

マロン、君は、健康で元気な仔犬だった。ボクは一目で気に入ったよ。以来、君は病院の世話には、ほとんどならなかった。

 

仔犬のときは、とにかく活発で、組柵をよじ登っては、脱走したね。仔犬のときから脱走の天才だった。ボクが仕事で外出している間に、寝床から逃げ出してロッキング・チェアーに丸くなってボクの匂いを嗅いでいたね。その10月、初めての10キロ散歩に出たとき、途中で歩けなくなって、残りの8kmをボクが抱っこして帰ってきたね。あの頃の君が一番カワイかったよ。

 

でも、君の思春期はスゴかった。すれ違う車を追っかけて山を駆け上がり、そのまま裏山に降りて遭難した。シカを追っかけて登山途中で沢に降りたて助けてもらった。留守番が気に入らなくて、洗濯物を玄関先にまき散らしたりしたね。リードを離した一瞬のスキに車にはねられたこともあった。この時期を無事に乗り切ったおかげで、君は長く生きることができたんだと思う。

 

ボクに怒られると、君はいつも一目散にクレートに逃げこんだ。最初から怒られることは、やらなければいいのに、君はわざと怒られるイタヅラを繰り返すタイプだった。思春期が終わる2歳過ぎまでは、大変だったよ。

 

それからは、君はボクにゴールデンな人生をくれた。温和な性格で、人なつっこく、女の子好きで、ときどき脱走を繰り返した。スーパーの前につないでいたら、「マロンちゃんが、キューピットにきています」なんてスマホに連絡をもらったものだ。ボクは、そのスーパーの中にいたのに。君は、近所のちょっとしたアイドル犬だった。二人で掛け合いをしているのに、車が止まったり、見ず知らずの人から「マロンちゃん」なんて声をかけられたりもした。

 

君には、育てるのに大変な思いもさせられたよ、だって君は家族だもの。  


ある冬の日の散歩、勝手に交流はじめるゴールデン・リトリーバー【ゴールデン・リトリーバー】

  

 マロン、ボクの人生を面白くしてくれて、ありがとう。